現在、地上や宇宙の望遠鏡で大気を調べている太陽系外惑星(系外惑星)の多くは、高温で水素・ヘリウムが占める大気を持つと考えられています。
系外惑星の分光スペクトルを高分解能で得る観測手法や、その解析手法が進展し、近年ではスペクトル中の分子吸収線の形状から大気組成や温度・圧力構造などを推定できるようになりました。
しかし、その推定精度は分子吸収線の実験データに大きく依存しますが、地球とは異なる高温環境や水素・ヘリウム主体の大気で測定されたデータの蓄積が現在ほとんどありません。
そこで私たちは、円筒状のガラス製セルに水素・ヘリウムと少量の分子(下のグラフではメタン)からなる混合ガスを封入し、電気炉で最大1000Kまで加熱して、系外惑星大気に近い環境を再現できる実験系を製作しました。
このガスセルにレーザー光を通し、波長を変えながら透過光の変化を光センサー(フォトダイオード)で記録することで分子吸収スペクトルを測定することが出来ます。
分子の吸収線は、周囲の背景分子との衝突により線幅が広がり(圧力広がり)、この広がり方は地球大気と水素主体の大気で異なります。得られた実験スペクトルをモデルと比較することで、
メタン分子の吸収線における水素・ヘリウム背景大気下での圧力広がりを初めて実測定しました。(Hosokawa et al., 2025)
今後、メタンと同様に惑星大気スペクトルで顕著な吸収を示す一酸化炭素(CO)の解析のために、実験系の更新を進めています。
JASMINE衛星は、「銀河系中心領域の位置天文観測」と「中期M型星周りの惑星トランジット探査」を主要な科学目標とする宇宙望遠鏡計画で、2032年頃の打ち上げを目指して設計検討が進められています。
その望遠鏡の目にあたるイメージセンサーを安定して冷却し、不要な光や熱の影響を防ぐ構造である「検出器ボックスユニット(DBU)」の開発を担当しています。
JASMINE衛星WEBサイト: https://jasmine.nao.ac.jp/
論文題目:「Experimental Study of Hot CH4 Spectral Line Broadening in H2 and He Environment for the Atmospheres of Substellar Objects」
バイクの将来機能の開発をしていました
中間レポート(修士論文)題目:「固定式フーリエ分光法を応用した高分散分光器の開発」